Amazonオリジナル『シンデレラ』映画感想・ネタバレ

日記

Amazonオリジナルのドラマや映画がスゴい!

先日観たのは『シンデレラ』だ。古典を今風なミュージカル映画に仕上げてある。

古典的なシンデレラと言えば、夢も希望も「持てない」女性が、魔法によって王と結ばれる物語だった。しかも、それが全て女性の夢であるかのように描かれ、男の成した富や権威に従うのが女性の喜びであると主張されてきた。さらに、それは魔法のようなもので、ありえもしない幻想だという皮肉まで混じっているものだと私は認識していた。(もっといえば、原作は女性の卑しい復讐劇としての背景が強く描かれてもいる)

しかし、この作品は古典的なものとは対称的に「女性への賛美歌」となっている。

主人公のエラは、自身の夢を叶えるために日々努力をしている若い女性だ。自分の意見をしっかりと持ち、男女差別の色濃く残る時代に男性と張り合うだけの芯の強さがある。そして、逆境にも負けない精神世界を自分の中に持っている。そんなシンダー(ススをかぶった)エラ、つまりシンデレラが奇跡を起こして、最終的には世の中にまで影響を与える。エラはニューエラ(新しい時代)を築くのだ。

実は、本作では、他にも活躍する女性が登場する。それは、王妃と王女だ。

作中ずっと、自身の政策を王に伝えようと努める王女。しかし、王は聞く耳を持たない堅物だ。娘の声に耳を貸さない父親像は、まるで亭主関白な昭和の親父そのものだ。そこで、登場するのが王妃である母だ。これまで王の意見に一切口を挟まなかった王妃が、王と夫婦喧嘩をするのだ。そうして、ショックを受けた王は心を改め、シンデレラと旅に出る王子の代わりに、娘に王位継承権を与え、政策を取り仕切らせるようにする。そうして、最後には国民の前でのスピーチにより、王妃と王女ともに声を上げ、楽しい世の中を作っていくというハッピーエンドだ。

なんとも、現代らしい女性の強さや楽しさ、美しさが描かれた作品だ。

Amazonオリジナルの作品には、こうした良作が多い。完全1人芝居でドラマが続く『SOLO』は俳優陣が豪華すぎてヤバい。ハリウッドスターが完全1人芝居でココまで演技力を試される作品は他にないだろう。

また、バイオテロを予言した絵本から展開される物語『UTOPIA』もおもしろい。絵本という、とっつきやすさとは裏腹にディープでダークな展開だ。スリル満点な映像が見どころだ。

さらに、現代らしい恋愛事情が盛り込まれた『Modern Love』のシーズン1も素晴らしい。私は、ゲイカップルが養子縁組する話と双極性障害を抱える女性を演じるアン・ハサウェイが素晴らしかった。そして、ただの1話簡潔でなくラストでうまく繋がるのも好感が持てた。

月500円ほどのAmazonプライム会員にさえなっていれば、あらゆる名作映画や海外ドラマが無料で死ぬほど見られる。しかも、それは送料無料になるオマケとしてだ。エンタメを享受するのに、お金がかからない時代。エンターテイナーは、マネタイズが大変だ(笑)