私はここ数年すこしずつだが体を鍛えている。有酸素運動ではなく、いわゆる筋トレだ。
その筋トレによって起きた変化といえば、体重が5kg増えたことと基礎体温が0.5度ほど上がったことだろう。つまりは、筋肉がついて体型はガッシリしたし、基礎体温が上がることで代謝と免疫力は上がっている実感がある。
こうした見える変化は当然のことながら、見えない変化も起きている。
それは自己洞察力の向上だ。筋トレをしていると、器具の重さや器具を持ち上げる回数によって、自分の体調を把握できるようになる。
場合によって、その日の体調に合わせたトレーニングに変えたりする。また、筋肥大が思うように進まなくなると、トレーニングに工夫を加えて違った刺激を与えることも多い。
さらにいえば、トレーニング前にプリワークドリンクとしてプロテインを飲んだときと飲まないときの差や、前日に多く糖質を取ってグリコーゲンを蓄えておいた日とそうでない日の差などを体感することで、食事による体調の変化にも敏感になる。
よく、筋トレしても使える筋肉じゃないとバカにしたりする人がいるが、使えるか使えないかというのは少し論点が違う気がする。
そもそも筋トレの目的は、理想の体型になることと太りにくい体を作ること、また骨を強くしたり筋肉の連動性や動作性を高めて、ケガの防止をすることだ。
しかも、それだけでなくBDNFという頭を良くする物質も運動によって出る。BDNFは、脳細胞の死滅を防ぎ、神経間の連絡を密にして、ニューロンやセロトニンを生成を促進する働きもある。長期記憶を高めるとも言われている。
つまり、運動をすれば、より緻密で高度な思考が可能になるのだ。
セロトニンが出ることで、その他の脳内物質の調整がなされて、メンタルも安定する。集中力が高まるのは言うまでもないだろう。
ここで話を戻すと、それだけ体とメンタルが整えば、さらに自己洞察力が上がると言えると思う。例えば、ある睡眠の研究によると、睡眠不足の人ほど「自分はよく眠れている」と言う傾向があるらしい。酒に酔った人が「私は酔っていない」と言うのによく似ている。
つまりは、体調が悪い人ほど自己洞察力が低くなるというのだ。だとすると、以前までの私は睡眠不足ではないにしろ、ここまでのトレーニングはしていなかったので、かなり自己洞察力が上がったのではないかと思う。
もちろん、運動をすることで睡眠にも良い影響があるので、なおのこと好循環が生まれていることだろう。
最近は、筋トレをすることで運動ネタで文章を書くことが増えた。それも相まって、また自己内省をすることとなり、自己洞察力がアップするのだ。「運動×アウトプット」で、これが今の自己洞察力に繋がっていると思うと、本当にやっていてよかったと思う。
ぜひ、自己洞察力を磨きたい人は、運動も取り入れてみてほしい。
ちなみに、運動について学べば学ぶほど、メリットがたくさん知れるし、運動の効果も高まるので、どんどん運動が楽しくなること間違いなしだ。