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はじめに
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マジック業界に入ってから、ずっと疑問に思っていたことがあります。それは・・・
なぜ、プロというマジシャンはレクチャーに参加しないのか?
ということです。特に現場に出ているマジシャンはそういう人が圧倒的に多いです。ここで、問題提起したいのですが
「優先順位それであってますか?」
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レクチャーのメリット
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プロの視点から見て海外レクチャラーに会いに行くメリットはたくさんあります。そのメリットを以下に列挙しますので、確認して見てください。
・世界レベルのパフォーマンスが目の前で観れる
・マジックの奥深さを知れる
・マジック界の良い風習が分かる
・人間性に触れれる
・直接質問できる
・仲間と出会える
・日本人に合わせてもらえる
・安く商品が買える
・英語脳が刺激される
・不思議に満たされる
どうでしょう?すこし考えただけでこれくらいは出ますから、メリットはまだまだあるように思います。
これに対して、デメリットを考えてみましょう。
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レクチャーのデメリット
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・すこしお金がかかる
・感化される
・自分のレベルを痛感させられる
これくらいではないでしょうか?
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仕事を取りますか?レクチャーを取りますか?
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わたしは、迷わずレクチャラーに会いに行きます。
・いつ来るか分からない
・次にいつ会えるかも分からない
・会いに行けるかも分からない
そんな海外からのレクチャラーに会うことと、1回の余興として営業マジックを比べたら、迷う余地がありません。
目先の利益を取るのか、自分に先行投資するのか。そんなこと迷うはずもないのです。もしも、レクチャーの日程と人生を左右するような自分がしたくて堪らない仕事なら、迷わず仕事を取ります。しかし、残念ながら日本にあるマジシャンの仕事は、ほとんどの場合そうではないでしょう。
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メリット・デメリットを見返してみよう
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【メリット】
1. ・世界レベルのパフォーマンスが目の前で観れる
2. ・マジックの奥深さを知れる
3. ・マジック界の良い風習が分かる
4. ・人間性に触れれる
5. ・直接質問できる
6. ・仲間と出会える
7. ・日本人に合わせてもらえる
8. ・安く商品が買える
9. ・英語脳が刺激される
10. ・不思議に満たされる
1.は、もう説明する必要はないでしょう。マジシャンをしているのなら、目の前で世界最高レベルのパフォーマンスを観ることの重要性は分かると思います。
2.マジックの奥深さと書きましたが、ココでは「タネに関して」です。技法だけでなく理論について、大きな学びを得れるでしょう。おそらく多くの場合「タネを知っているのに騙される」という経験をすることでしょう。
3.ここでのマジック界の良い風習とは、知識・技術のシェアです。これを肌で感じることができるでしょう。
4.世界トップレベルのパフォーマーの人間性に触れれるのは、自身のキャラクターを形成するのに大きな助けとなるでしょう。彼らは「魅力的な人間性」と「自分らしさ」を持ち合わせていて、あなたを圧倒するか包み込んでくれるはずです。
5.目の前で演技を観たら、分からなかったところや細かな演出や作品創作のプロセスについて質問を直接できるのです。最高じゃないないですか。
6.レクチャーに行く理由は何もレクチャラー本人だけではありません。あなたの憧れる日本のあの有名マジシャンも参加している可能性だってありますし、知識を共有できる仲間に出会えるのです。なにかを楽しんで続けるには、この「仲間」というものが必要不可欠になります。
7.日本でレクチャーを行うということは、日本人に合わせてくれるということです。演技スピードを変えることなどはないでしょうが、ある程度気を使って話してくれます。しかし、海外に行けば英会話についていけないだけで置いてけぼりを食らうのです。英語が苦手な日本人にとって私たちに合わせてモノを教えてもらえる機会があるだけで、とても貴重でしょう。
8.レクチャー会場では、たいてい物販が行われます。しかも、おまけが付いたり、安くなったりします。直接の学びにプラスアルファして、レクチャーノートもお得にゲットして学びを深めることができるのです。
9.これはマジックとは関係ありませんが、スペイン人でもアメリカ人でもポルトガル人でもイギリス人でもフランス人でも、英語で演技をしてくれます。日常生活で英語を使う機会の少ない日本人にとっては、英語に触れるたいへん良い機会だと思います。わたしもレクチャーの日は普段は退化してる英語脳が刺激されて、すこしだけ話せるようになります。
10.極上の不思議に触れると、なんとも言えない満たされた感情になります。そんな滅多とない機会を与えてくれるのは、世界トップレベルのパフォーマーだけでしょう。
【デメリット】
1. ・すこしお金がかかる
2. ・感化される
3. ・自分のレベルを痛感させられる
逆にこれらのデメリットは、すべてメリットに置き換えることができると思います。
1.は学ぶ姿勢が高まります。近年YouTubeだけでマジックを学ぶ人がいますが、お金を払わないので学ぶ姿勢が低いです。つまり、そういう人たちの技術レベルは極めて低いのです。しっかりとメリット見極め対価を払い学ぶというのは、自己成長につながります。
2.これは逆に言えば、技術を吸収したということでしょう。一時的にあなたの演技が乱れるかもしれませんが、素人にはそんなこと分かりませんし、その吸収した技術を噛み砕けたときには、あなたの演技はより良くなっているでしょう。
3.自分のレベルを痛感するのは、自己認識がうまくできたということでしょう。これができないといつまでも自分の技術にあぐらをかき続け、観客を飽きさせる要因となることでしょう。これまた自己成長となる良い機会なのです。
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わたしの経験
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わたしが初めて参加したレクチャーは「デレック・デルガウディオとヘルダー・ギマレス」のものでした。
DVDで観た演技が当たり前のように、目の前で再現されるのです。これは凄いことです。憧れのマジシャンの演技を目の前で観てフラッシュしてげんなりすることは良くあるでしょう。マニア同士の集まりなら尚のことです。しかし、それがありませんでした。
当たり前のことを当たり前にするトッププロの彼らから
わたしはレクチャーの素晴らしさを学びました。
すこしデレックの人柄に難はありそうでしたが(笑)
そこから、タマリッツ、ダニエルガルシア、ダン&デイブ、ジョンカーニー。ジョセフバリー、ダニ、デビッドストーン、トムストーン、ポールウィルソン、リチャードターナー、ピエリックなど、パッと思い出すだけでもそうそうたるメンバーに会い目の前で演技を観て、レクチャー受けコミュニケーションを取りました。
中でも記憶に残っているのは、ダローのレクチャーです。実は、彼とはレクチャーの前日にアルスさんの計らいで、会うことができました。
そのときダローに会い直接マジックを観てもらいアドバイスをもらい、マジシャンの生き方に関してなど、いろいろなことを教えてもらいました。そこで、彼がわたしにくれた言葉が、今でもわたしがマジックを続けている理由になっています。
それは
「君のDLもう一度見せてくれないか?」「わたしが観たDLの中で1番上手だよ」「シンプルで素晴らしいね、そのままでいいよ!」
という言葉でした。単純に認めてもらったんですよね。でも、この時期のわたしには一番響いたんです。キャラも濃くなく、特別に優れた演技をするわけでもないわたしはトップマジシャンと自分を比べて、すこし人前で演技をすることに萎えていました。そんなわたしに「自信」と「やる気」をくれたんです。
そんな彼はもうこの世には居ません。
彼は残念なことに帰国亡くなりました。
そうです、もう会うことはできないのです。
このように憧れのマジシャンといつ会えなくなるかなんて分からないのです。エンタメを仕事にするマジシャンなら気づいてほしいのですが、1番のエンタメは「人と出会うこと」です。
人生を左右するような貴重な機会は出会いでしか生まれないのです。
ですから、今でもこんな機会を提供してくださった、アルスさんスクリプトマヌーヴァの滝沢さん、マジックランドの小野坂さんにはとても感謝していますし、今でもレクチャーに行き、憧れのマジシャンに出会うことを大切にしています。
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まとめ
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・比べるまでもなく、海外レクチャラーには会いに行くのが良い。
わたしは大阪在住なので「レクチャーの有無」は、マジックランドさん、スクリプト・マヌーヴァさん、フレンチドロップさんの告知を見逃さないようにすることで参加しています。
なぜ、この3会社なのかと言うと「失敗がないから」です。
毎度ほんとうに素晴らしいレクチャラーを招待してくださり、満足度の高いレクチャーを用意してくれます。
というわけで、いまマジシャンをしている人もこれからマジシャンになる人もレクチャーへ行くことを強くオススメします!!!