コロナ禍の不安を取り除く会話テクニック

日記

世間話でコロナの話をする人は多いですが、そこに明確な目的を持っている人は少ない。私の場合は明確な目的を持っています。それは相手の状況を知り、コロナ感染への不安を取り除くことです。とはいえ、わたし自身、人一倍健康管理はしておりますので、全く不安はないのですが、おもしろくもない会話をする以上、目的を持ってしています。

そこで、どうやって相手に失礼なく状況を把握するのかを解説していきたいと思います。

まずはNG例を解説します。

「ひとごみに行くようなことしてないですよね?」

この聞き方が、なぜよくないのか分かりますか? 分からない人は、読み進める前に少し考えてみてください。

まず否定疑問文だという点が気になります。つまり、「そんなことしてないよね?」という圧を相手に与えて、同意を強要するような聞き方であることです。さらには、相手の行動を制限するような言動にもなっていますので、とてもよくありません。

つぎのNG例も考えてみましょう。

「コロナ感染者と関わりないよね?」

これも上記同様ですね。否定疑問文であり、やっぱり同意を強要するような印象を受けます。そして、なぜか自分のことは棚に上げた聞き方をしていることが分かると思います。コロナ禍であろうが、そうでなかろうが、不躾に他人のプライベートな部分を根掘り葉掘り聞き出すような不躾な真似はよくありませんね。失礼です。

しかし、周囲に聞いても、このような聞き方をする人が多いことが分かりました。わたし自身、コロナ禍で複数の人からこのようなことを聞かれました。

コロナ禍で不安を抱えるのは、当然のことですし、それを解消したいのはよく分かりますが、それを他人に責任を押し付けるかたちで質問するというのはよくないですよね。それは自分の課題であるのですから、他人に迷惑をかけないかたちで、自分で解消すべきです。

では、実際にどのように解消すればよいか解説します。

冒頭でも触れましたが、世間話でコロナ関連の話をすることがあると思います。というか、絶対にしていると思います。そこでなら自然とNG例の質問を言い換えて、忍び込ませることができます。

「最近、コロナの影響は大丈夫ですか? お知り合いに感染した方いませんか?」と聞くことで、その人自身の行動への言及というより、その人が受けた影響について言及しているので、プライベートではなくビジネスという考えにシフトさせることが出来るうえに、その人の周囲に感染者がいないか確認することができます。

そして、もし、その人の周囲に感染者がいたとしても「大変ですね、行動制限やPCR検査など面倒なことが多かったのではないですか?」と相手を気遣ったねぎらいの言葉へ繋げることができます。ここは重要だと思います。多くの人は会話の時に、相手へ質問をしても、その返答を予測しませんよね。そうすると打つ手がなくなるので、会話を思いつきだけで話すことになり、NG例のような地雷を踏むことになるのです。

そして、ここで続けてベターな例を紹介しますと「体調いかがですか?」と聞くということです。どちらかと言えば、この質問を先にすべきです。なぜなら、相手にコロナを意識させず、自分の体調を内省してもらうことができるからです。そこで、大抵の人は不調を抱えているので、それについて話すだろうと思います。そこで、コロナに近い症状があるのであれば、できるだけ距離を保ってコミュニケーションを取るようにすればよいのです。

ということで、コロナ禍におけるコミュニケーションは「コロナに縛られるな!」というのが助言になります。

多くの人がコロナについて知るためには、コロナを話題にしなければならないと思っているかもしれませんが、全くそんな必要はないです。「体調いかがですか?」と聞けばいいのです。もしくは、もっと遠回しに相手の健康意識を把握したいなら「毎日何時間くらい寝ますか?」と聞けばいいのです。もちろん、いきなり聞いては「え、なんで?」と言われますから、自分から自己開示することが大切です。「わたしは寝るのが好きなので、毎日8時間眠っているのですが、〇〇さんは睡眠時間どれくらいですか?」と。そうすれば、本人に体調を聞くより正確に、健康に関する意識や体調を把握することができます。6時間以下の人は危険信号ですし、7時間以上眠っている人はかなり健康な可能性が高いですし、健康への関心も高いことが分かります。

コロナによって、不安になると視野狭窄に陥って、一点しか見えなくなってしまいますから、一度冷静になることが大切です。冷静になって「本当に相手に失礼がないかな?」と考えた上で質問をしたほうがよいでしょう。今の世の中、間違った情報が多い一方で、専門家の正しい知識を得ることが簡単なことも確かです。つまり、そこで必要になるのは、正しい知識を扱う知性です。いくら正しい知識があっても、それを扱える知性がなければ全く意味がありません。ですので、コロナ禍において「思考力を磨く」ことが最も重要です。

さらに言えば、5Gが普及して6Gへ向かうAI時代のいま。知性を身に着けなければ、AIに取って代わられる人材になってしまいます。ですので、このコロナ禍を機会に社会だけでなく自分自身の変革が必要なのではないでしょうか。