わかりやすく〈伝える〉技術 池上彰〜文章力を磨くのに最適な1冊〜〔書評〕

書評

・はじめの章

・マジックナンバーの「3」を活用する

なぜか、人は「3」という数字が好きなようです。「2」だと少なく感じ、「4」だと蛇足に感じる。

「3」がちょうどいいんですね。ですので具体的に、その日の「目標」「目的」「内容」を3点で伝えることが良いようです。

例えば…

「今日はコミュニケーションについてのセミナーです。どうすれば想いが伝わるようになるか?ということを10分でお伝えします。」

「テーマは1つ、ノウハウは3つだけです。今日のテーマは「Be natural,Be yourself」自然に自分らしくあれ。です。ノウハウは、目的をもつ、共通点を探す、好意を得る、この3つです」

このような感じですね。なんか、続きが気になってきませんか?(笑)

・誰のための説明なのか?

この言葉から、始まる本書。

途中まで読んで、「これが真理ではないか?」「だから、とても大切な一言目に選んだのでは?」と思いました。

あなたが「話」をして相手に伝わらないのは、自分が理解できていないからです。本当に理解できている人は、たとえ相手が小さな子供でも分かりやすく伝えることができるのです。

伝わらない時こそ、自分の「無知」を知ることが大切です。

「こんなことも分からないのか!バカかお前は!」という人に対して、池上さんは「もしかして、あなたがバカじゃないのか」とキツく述べられていました。

さらに、後半の「抽象的なキーワードはまとめに」の章で、「暗黙知のギャップ」という言葉で「伝わらない」ということについて、まとめられていました。

・わたしが、一番ドキッとした章

それは、『「週刊実話」か「習慣実は」か』という章です。

習慣的に「実は・・・」という語り口を使ってしまうということを、「週刊実話」とかけてある、この章。

わたしは「型にはめて文章を書くこと」が多いことから無意味に多用していることに、かなり心当たりがあったので、かなりドキッとしました。

さらにマジシャンという職業柄、「ほんとはね、こうなんですよ」「こういう風に思うでしょ、でもね、こうなるんです。」という語り口が多いせいもあり、日常的にも使っていたと思います。

ですので、今後は「ここぞ!」というときに使えるようにしていきます。

・「言い換えれば」は、複眼の思考

この章は、「言い換えれば」という表現を使うことで、日頃から「複眼の思考」を身につけれるというものです。

例えば

「アメリカで、79ドルで買いました。日本円だと、¥9000くらいです」
このように数字を違う視点から表現することと
「弊社にとってはメリットですが、御社にとってはデメリットになりえます」
このように「こういう見方もできますよ」という2種類があります。

前者は、削っても相手には伝わる表現ですね。後者は、違う方向から物事を捉えているので「複眼の思考」を身につけれるということですね。

以上、わたしが「使いたい!」「反省しなきゃ!」と感じた部分です。

みなさんにも参考になったでしょうか?