はじめに
わたしがメンターとしている精神科医で作家の樺沢紫苑先生の新刊「いい緊張は能力を2倍にする」が発売されました。それを発売初日に購入し「スキマ時間」を使って、やっと読破することができました!
ですので、読書感想を書きます。
どんな本?
樺沢先生の本は、科学的エビデンス(根拠)がたくさん入っていてボリューミーな内容なのにもかかわらず
とにかく、読みやすい!!!
というのが特徴です。わたしは、コマ切れのスキマ時間で読書を行うことが多いのです。それでも、トータル2時間くらいで読むことができました。さて、その本の内容はと言いますと
「緊張を味方につけて、自分の本来の能力を発揮しましょう!」
ということです。そして緊張しすぎてしまう人は、緊張の捉え方、考え方を変えることで「過緊張の根治を目指そう!」という本です。
本書では、緊張しすぎでパフォーマンスが落ちてしまう「過緊張」を防ぎ、良い緊張状態に持っていくための「ノウハウ」が「33個」も紹介されています。
心理学の法則から、脳内物質という脳科学的視点から解説されるノウハウはどれも確実に効果のあるものばかりが紹介されていますよー!
実践したいノウハウ・しているノウハウ
そのなかで、マジシャンとして一般の方よりも多く緊張する舞台に立って、たくさんの活動をしてきたわたしが「すでに行っているもの」と「これから取り入れたいもの」がたくさんありますので、箇条書きにしたいと思います。
【実践しているノウハウ】
- ・正しい深呼吸
- ・筋肉をほぐす
- ・笑顔トレーニングまたは変顔
- ・7時間以上の睡眠
- ・アロマ
- ・セロトニンのトレーニング(朝日、朝食、姿勢)
- ・徹底して準備する
- ・アイコンタクト
- ・フォー・ユー思考
- 「これから取り入れたいもの」
- ・3点バランスフィードバック
- ・イメージトレーニング
- ・敵を知る
- ・ネタ帳づくり
- ・質疑応答リストづくり
- ・ルーティンづくり
これら全てを1つずつ解説するだけでも相当な分量になりますので、いくつか取り上げて紹介したいと思います。すでに行っているものリストの中でも
特にオススメできるのは、「変顔」です!
本書のなかで「笑顔をつくるトレーニングをしましょう」そうすると、副交感神経が刺激されて過緊張を防ぐことができますよ。と紹介されており、そのなかで「変顔」が勧められていました。変顔をすることで自然と笑みがこぼれ、リラックスできるというわけですね。
わたしは、この変顔にプラスαして行っていることがあります。それは・・・
舌ストレッチです。
舌を出しての上下左右に大きく動かすトレーニングを本番前に緊張した時などは、行うようにしています。これは変顔をつくりリラックスするのと同時に舌をストレッチすることで、滑舌も良くなるようにするトレーニングです。これを行うだけで
「大事なところで噛んだらどうしよう」
という感情を解消でき、さらに自然な笑顔を作れて一石二鳥です!
【実践したいノウハウ】
- 質疑応答リストづくり
前からすこしは、おこなっていましたが100問も作ったことはありませんでしたのでセミナーをする際は、想定問題集を作って質疑応答リストを「100問」作って万全の準備で臨もうと思います。
ここにすごく共感した!とても大切な考え方
ここから、プロのマジシャンとして本書の中で紹介されている考え方で、すごく共感した「とても大切なこと」を伝えたいと思います。それは・・・
フォー・ミーではなく「フォー・ユー思考」をするということ。
つまり、「自分のため」ではなく「あなたのため」という気持ちでいることです。特に、人前に立ってなんらかのパフォーマンスやプレゼンを行う場合、これができていないと、絶対にうまくいきません。
なぜかというと、客観視ができないからです。例えば、アマチュアや若手のマジシャンによくあることなのですが、自分視線からは不思議に見えているのに、お客様からは「ひとつも不思議に見えない」ということがあるのです。
これは、自分がマジックの手順をこなすだけに焦点を合わせて行っているので、そのような事態が起きてしまうのです。まさしく、フォー・ミーな思考ですよね。これが、フォー・ユーに変わると・・・
- お客様からは、どう見えているだろうか?
- お客様の視点から撮影して、確認しよう!
となって、演技がより良いものに洗練されていくのです。セミナーでも、同じだと思います。フォー・ミーな思考の人は・・・
スライドに細かい文字を詰め込みすぎますし、後ろの席の人のことを考慮しないので、画面の最下部まで、スライドを使います。これが、フォー・ユーに変わると・・・
- スライドは、お客様の理解を助けるためにイメージしやすい画像にしよう!
- 文字は、できるだけ減らそう!
というように変わるのです。このように一見、緊張とは関係のなさそうなことまで書かれていますが、実はそれが「過緊張の根治」につながる考え方であるという、素晴らしい本です。
これだけ大切なことを、読み手に浸透するまで何度もなんども著書に記されている樺沢先生は、ほんとうにマメで素敵な人だなと思います。
最後に
わたしはプロマジシャンとして緊張のコントロールについてもプロだと自負していますが、そんなわたしでも学びの多い本書。
緊張しやすく、そのせいで困っている。
という方には、手放しでオススメできる本ですので、ぜひ手に取ってみてください!