『39歳からのシン教養』(成毛眞/PHP研究所)書評

書評

成毛眞さんの新刊『39歳からのシン教養』を読んでいます。

本書は、「ネット検索」のテクニックとその幅広い手法について書かれています。39歳からの忙しいビジネスパーソンほど「教養」が必要ですが、とにかく本を読んでいる時間などないのが実情です。日本人の約半数は、月に1冊も本を読まないといいますし、忙しいビジネスパーソンの多くが睡眠6時間以下だと言います。

そこでさらに睡眠時間を削って、本を読むなんていうのはバカげていますから、「ネット検索」によって、教養を深めようという話です。それを、日本でも随一の「読書家」が書いているのですから、なんとも皮肉なものです。さらに、著者ご本人も「ネット検索のテクニックを本で紹介する」という皮肉についても触れていました(笑)

本書には、いろいろな学びがあります。一番の気づきといえば「俺、コレやってるやん!」という共感です。たとえば、本書のなかで「好きなテレビ番組からキーワードを拾って、ウィキペディアで深く調べる」というノウハウがあります。

いま私は、テレビを見ていませんが、昔は好きな番組だけを録画して見ていましたし、気になったことはネット検索していました。

「調べる」ことによりキーワードは記憶されますし、増える情報カギ爪のように記憶に引っかかるので、より覚えやすくなります。こうして、あらゆる知識が蓄積されていきますので、なんともオススメの方法です。

それを尊敬する成毛さんもやっていたと思うと嬉しいですね。

しかも、現在はインプットの9割が「ネット検索」によるものだと言っていましたので意外です。ビジネスに関する情報を生で得ることの多いであろう成毛さんが、ビジネスに関してもあらゆるキーワードを組み合わせて、たくさん検索することを知って驚きました。

成毛さんいわく、時間ある10代や20代のうちに「読書」をしなかった人が、30代を超えてから「読書」で勉強しようするのは「遅すぎる」とのこと。

私は「ホッ」としましたが、日本人の約半数は「ギクッ」としたことでしょう。だから、そこに「助け舟」となる「ネット検索」の技術が解説されるわけですね。

時間のない人こそ、このテクニックを身につければ、普段の「ムダなスマホ時間」が「有意義なスマホ時間」に変わること請け合いです。