『精神科医が教える ストレスフリー超大全 ーー 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト』樺沢紫苑/ダイヤモンド社[書評]

書評

はじめに

老後2000万円問題や人生100年時代の到来に加えて
昨今のコロナ禍の影響で私たちは生き方を変える必要があると
痛く思い知らされることになりました。

そんな私たちにアフターコロナの時代を生き抜くための
新しいライフスタイルの提案をしてくれる
最高の一冊が出版されました。

それが『精神科医が教える ストレスフリー超大全 ーー 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト 』です。

本書の冒頭で

「あなたの「考え方」「受け止め方」を少し変えるだけで、ストレスをしなやかに受け流せるようになります!」

「はじめに」より

と著者は語ります。

「ストレスとは何なのか」

その正しい捉え方と悩みの9割を解決する対処法を解説した一冊です。

「不安は脳科学的にザックリと言えば、ノルアドレナリンの分泌です。人間が緊張、不安、恐怖の感情を持つとき、脳内物質のノルアドレナリンが分泌されます。」

「序章」より

「不安になるのは、必ず「ピンチの状態」「困った状態」のときです。そこから「早く行動して脱出しなさい!」というのが、不安の生物学的な意味合いです。ですから、何もしないで、放置すればするほど、不安は強まります。(中略)ですから、不安を消すことは簡単です。「行動する」ことです。

「序章」より

つまり、不安(=ストレス)は行動すれば抑えられるということですね。

その言葉の通りシリーズ累計70万部を超える大ベストセラーとなった
前著『アウトプット大全』は行動(=アウトプット)の重要性を世に知らしめ
空前のアウトプットブームを生み出しました。

(そこでも世の中のストレスを解消していたとは驚きです!)

さて、私もその言葉にならって本書のノウハウを実践してみることにしました。

嫌いな人がいないと分かれば心がラクになる

人の悩み事を「人間関係」「プライベート」「仕事」「健康」「メンタル」の5章に分けて解説してある本書。

「人間関係」の章には「嫌いをなくすワーク」というものがあります。

まず身近な人10人の名前を書き出して、好き嫌いの2択で判断をします。
そこに「普通」という基準も加えて3択で判断してみると嫌いな人が減るというワークです。

これを読んだときに、すぐ思い出したのは
以前、著者のセミナーに参加したときにも
このワークをやったことでした。

そして、自分の周りには嫌いな人が
1人もいなかったことを思い出したのです。

その瞬間、自分の中の張り詰めた緊張感がほどけて
心がフッと軽くなるのを感じました。

というのも、ここ最近
何もかもが上手くいっていないような感覚があったのです。

それが緩んだことでストレスも緩和されてました。

心が安らぐ魔法のコトバ

本書は「序章」と「終章」がすべての人の当てはまる
ストレスの根源をなくすためのノウハウが解説されており
本編の5章はそれぞれの悩みにフォーカスして
「各個撃破」するノウハウが解説されています。

しかし、私にとって最も刺さった章は「おわりに」で解説された

「それでいい」を口グセにする

というノウハウでした。この章を読んだ瞬間に…

私は事あるごとに自分を責めて
「もっとできるはずだ。努力が足らない。お前が悪い」
と考えてしまうクセがあることに気づきました。

「それでいい」と「ありのままの自分でいい」と
自分を肯定してあげることができていませんでした。

それを理解して「それでいい」と自分を受容した瞬間に
また心が軽くなるのを感じました。

本書を読むだけで、これほどに癒やされるとは、正直、驚きました。

自己受容4行日記は効果抜群

自分を責めてしまう思考のクセのある私にうってつけのノウハウが
本書の中で解説されていました。

それが「メンタル(5章)」にて解説される「自己受容の4行日記」です。

ネガティブなことを1行と
フィードバックをセットで書くというノウハウです。

3行ポジティブ日記と合わせて
実際にやってみるとネガティブな自分を励ますのは
くすぐったい感じがしますが前向きになれる上に
「次からはこうしよう!」と明確なTODOが出てくるので
その日の終わりがポジティブだけになって
すごく気持ちよく眠れるようになりました。

気持ちも晴れて睡眠もよく取れるようになるので
今後も続けていきたいと思いました。

最後に

私自身、昨年末から今年にかけて
人生で一番苦しい時期を過ごしてきました。

やっとメンタル的に回復してきたなかで
本書が出版されて完全回復までの後押しとなってくれそうで
とても救われています。

本書は読むだけでも心がやすらぎ
実践すれば確実にストレスから開放される。

そんな一冊でした。

ちなみに「序章」と「終章」から読むのがオススメです。
特に「終章」の「人生の3つの幸福」を図にしたピラミッドを
頭に入れて読むと直感的に理解しやすくなります。

コロナ以降もシンギュラリティの到来も予測されていますから
大変革に対応できる新しいライフスタイルを身に着けたい今こそ
読んでおきたい一冊です。