『一日の休息を最高の成果に変える睡眠戦略 世界のビジネスエリートが取り入れる「7つの眠り方」』を手にとって、まずハッとさせられました。自分の考えの固さに気づいたからです。タイトルにならって、「はじめに」では著名人たちの「7つの睡眠戦略」が紹介されます。それぞれの戦略は、まさに「自分最適化」です。
何を目的にして、どのように生きるか。それは人それぞれですが、睡眠は「正解」が決まっており、その理想を目指さなければならないと思い込んでいました。いわゆる「自然主義的誤謬」で、原始人の頃から、生物としてあまり進化していない人間は、日の出とともに起きて、日の入りとともに眠るのが正解だと信じていました。
しかし、そこに「社会の変化」や「多様化された生き方」は考慮されていません。もっと言えば、本書では人間は哺乳類なのだから、もともとは「多相性睡眠」なのではないかと示唆されています。つまり、睡眠を分割して取るのは、悪いことではなく意外と普通のことなのです。
なので、もし夜の眠りが悪ければ、昼寝をすればいいのです。もちろん、体も頭もたくさん使う人であれば、寝られるときにできるだけ寝るようにすれば、それだけでパフォーマンスが上がるとのこと。その一例として、メジャーリーガーの大谷翔平選手の「毎日10時間以上」眠る睡眠戦略も紹介されています。
まとめますと、私には睡眠を自分に最適化させる考え方が抜けていたように思います。しっかりと8時間眠れなかった日は、どこかで自分を責めてしまっていて、環境や習慣が不十分だと思っていました。
しかし、本書で紹介されるように、まずは「まず、主となる睡眠は3時間」と考えて、「3時間眠れればとりあえずオーケー」「あとは寝られるときに寝よう」「好きなときに昼寝できるなんて最高だよね」くらいに意識を軽く持っていこうと思いました。
そうした気の持ちようで、入眠もよくなるような気がしますしね。これまで「睡眠関連の本」は、何冊も読んできましたが、こちらの1冊は間違いなくホームラン本です。より良く生きたいすべての人に、ぜひ読んでいただきたいです。