グレッグ・マキューン氏の前著『エッセンシャル思考』では「何を」やるかを突き詰める内容でした。そして今作『エフォートレス思考』では「どのように」やるかを極める1冊となっています。
この2冊を通して理解することで、最大限の効果を発揮するような作りになっていて、とても楽しく読むことができました。
「エフォートレス」とは「頑張らない」という意味で、『エフォートレス思考』では「頑張らずに余裕で正しい成果を出せる方法」が解説されています。
本書を読み進めると、自分が無意識に、たくさんの思い込みをしていたことに気づかされます。例えば「物事を深く考えなければならない」「たくさんの努力をしなければ成功できない」「成功するには時間と手間がかかる」そのような具合です。
これらの思い込みが、自身の問題を「難しく」「より複雑に」「解決不能なもの」へと変えていたのだと気づくことができました。
また、私は、前著『エッセンシャル思考』を意識して活動をしているので、上手く向き合えている部分も多いと感じました。
とくに「手順を限界まで減らす」ということは、私がプロマジシャンとして活動してきたときからの理念と合致します。「いかに何もせずに不可能な現象を起こすか?」と考えてきた私は、現在の動画編集という仕事においても「いかに不要な手順を減らすか?」と考えて作業をしてきました。
そして、現在の作業手順は、極めてシンプルなものになっています。
その一方で、同じ章で語られている「必要以上の努力は誰のためにもならない」が、深く刺さりました。私がYouTubeで発信をしようと考えるとき「しっかりと撮影しなければ」「編集も凝ったものにしないと」「もっと分かりやすく話したほうがいいのではないか」そう考えて、なかなか発信できずにいました。
しかし、ムダな完璧主義をやめて、「最小限の努力」で発信することができました。
こうして「学び」と「実践」が相互的に作用する本書は、とても楽しく読み進められています。読んでは「実践」読んでは「振り返り」という読み方に自然となります。
そうして、ふと気づいたのは、本書自体が「エフォートレス」な作りになっているということです。たった1度「1500円」の投資をするだけで、楽しく無理なく読み進められます。そして、全てのことに通じる原理を見つけられます。目前の問題を解決するためだけの方法を学ぶのではなく、今後すべての問題を解決するための方法を学べるのです。
本書の言葉を借りるなら、それは「累積的な成果」と言えるでしょう。一度の努力で、何度も成果を得られるというわけです。
第11章に「一生モノの知識を身につける」とあるように、まさに、そんな一冊になっているのが本書です。私は、最近「ストア派哲学」や「孫子の兵法」を学び、一生モノの知識を得たと感じていた。そんな私にとって、また「一生モノの出会い」となりました。
本当に、素晴らしい1冊です。前著『エッセンシャル思考』がロングセラーとなっていますが、本書も口コミが広がっていき、自然とロングセラーとなるでしょう。ぜひ、発売されて間もない今にこそ手に入れることをオススメします。