ゆっくりと時間が進む。そんな感覚に浸ったのは、いつぶりだろうか。まさか「闇風呂」がこれほどまでにいいとは思わなかった。視覚刺激を減らすだけで、時間の歩みが変わるとは思いもよらなかったのだ。
風呂場の小窓から流れ込む短夜の音色は、字面とは裏腹にゆっくりと進む。最高のひと時である。
ハードに筋力トレーニングをしたうえに、もう上がらない腕で風呂場の大掃除をしたあとの「マグネシウム浴」だった。始めは電気を点けていたのだが、そういえば、と思いだして電気を消したのだ。
それがよかったのだろう。先程までは、うるさいばかりに煌々としていたのだが、一気に静かになったことで、なんとも言えない穏やかな気持ちになれた。
おっと、つい言いそびれたが「闇風呂」とは、浴室の電気を消して入浴することだ。それが流行っていると聞き及んでやってみた次第だ。
するとどうだろう。わたしたちに与えられた時間。つまり「クロノス時間」はコントロール不可能であるが、一方で主観的な時間はコントロールが可能であることを知ることになった。つまり「カイロス時間」を認知できたのだ。
これは「闇風呂」により「マインドフルな状態」になれたことが大きな要因だろう。思考を自分のうちに向けたあと、解き放つような感覚。また、未来でも過去でもない、今にタイムスリップしたような感覚。いやはや、恐るべし。
ぜひとも、お試しいただきたい。
ややこしく書いたが、ただ電気を消して風呂に入るだけだｗ