「目の前の敵」と戦うな!

書評

わたしは小さい頃スポーツ少年でした。

スポーツの経験から学ぶことはたくさんあったと思いますが、最近思い出したのは「駅伝大会」のこと。

わたしには小学生の頃、市と区で駅伝大会に優勝した経験があります。最高学年だったのでアンカーでした。ゴールテープを切る瞬間はすごく爽快です。

しかし、1番の学びはそんなことではありません。

駅伝大会でのマナーが実生活に役立つということです。

というのも、駅伝ってたくさんの走者がいるのに走るレーンはなくて、一つ間違えるとぶつかって大勢が怪我する競技でもあります。しかし、ほとんどそういったことは起きません。なぜなら・・・

「前の走者を抜くときは外から」

というマナーがあるからです。これを抽象的に捉えるなら「目の前の敵とぶつかる必要はない」ということです。

実生活でも「電車でマナーを守らない人」「歩きタバコをする人」「嫌味を言う職場の人」「SNSで嫌がらせをしてくる人」さまざまな敵が現れると思います。この人たちと正面からぶつかっていては、毎度毎度「気力」も「体力」も消耗して、キリがありませんよね。

わたしは、毎度このような人たちにストレスを感じて、ときに戦うこともしてきましたが、すごく疲れました。

そこで、思い出したんです。

「敵にぶつかる必要はない」ということを。

本当に足の速い人は、目の前の走者を無理に抜き去るのではなく、大外から全ての敵をゴボウ抜きします。

つまり、本当に能力のある人は、どうでもいい「目の前の小さな敵」にいちいち構うことはしません。相手にすらしないのです。「気力」と「体力」は自分にとって大切なことのためにとっておき、必要となればそこに全集中して使います。ですから・・・

敵が現れたら道を譲ってあげましょう。

誰よりも早くゴールテープを切るのはあなたなのだから。

わたし自身、まだまだ「この考え方」を身につけきれていませんが、これからもしっかり意識することで、自分のものにしたいと思います。