主夫、イクメン、男性の育児休暇取得など。この10年で日本の男尊女卑という考え方が見直される機会が増えたと思います。しかし、いまだに残る「夫が家事を手伝わない」という問題は、多くの女性の悩みのタネになっています。その原因は、男尊女卑の本質的な改善がなされていないからです。そもそも、当たり前に行うべき家事や育児を特別視して、男が設けた制度というものに違和感があります。そして、男性が育児休暇を取得しても、家でゲームばかりしていることも多いようです。家事を手伝うこともなければ、子ども遊ぶだけで世話をしない。そして、妻からの指示待ちで自分で考えて行動しない。こういったこと現状が世の中には溢れています。
さて、ここで男性批判をしても仕方がないので、私のやっていることと照らし合わせながら解決策を考えてみようと思います。その上で、まず「お互いが役割を果たした上で、相手をフォローできる状態がベスト」だということを念頭に話を進めていきます。
つまり、初めにやるべきは「役割の分担」です。男性は社会では立場を気にする傾向が高いです。つまり、役割さえ与えれば自然と仕事をするようになります。例えば、私の場合、水回りの掃除は好きです。さらに、パートナーが洗い物が好きではないので、私が率先して食器洗いをするようにしています。こうすると、お互いに負担がなく家事を進めることができます。なので、まずは「トイレ掃除」「食器洗い」「洗濯」「掃除」「買い物」「料理」の役割分担をするとよいと思います。苦手なことを相手にやってもらったり、得意なほうを自分がやったりするとよいと思います。ただ、洗濯物などで細かなこだわりがある人は、その部分を率先してやるようにするのが大切です。お子様がいる場合は、お子様にも役割を振り分けてあげるといいですね。
役割分担が済んだら、次は実際にやっていくことです。1週間は続けたほうがいいです。ここで大切なことは「相手の領域には干渉しないこと」です。相手が家事をサボっているようにみえても、スグには手も口も出さず相手のタイミングでやるのを見守ることです。そして、1週間後にフィードバックを行います。家族で、できていたところ、できていなかったところについて話し合います。ここで、もし役割を果たせていないようなら、注意をして改善してもらうようにします。ただし、フィードバックでは一方的にできていないことを責めるのではなく、あくまでも改善点を伝えるようにすることです。そして、できていたことに関しては、感謝を伝える姿勢を持つことが必須です。そうしなければ、イヤことばかりを指摘し合うことになり、最悪の場合ケンカになりかねませんからね。
私を例に、より具体的なパターンを2つ紹介しておきます。
・朝の身支度に追われるパートナーの代わりに、お弁当や朝食の用意をする。(水筒に飲み物を入れる、作り置きを詰める、コーヒーを淹れるなど)
女性は、お化粧をしたり、その日の天気や予定に合わせて服装を変えたりと朝は意外と考えることが多いようです。なので、そこをフォローしてあげられると感謝されやすいですし、朝の時間にゆとりができるので、楽しく会話ができて良い1日がスタートできます。
・フリーランスの自分は時間に融通がきくので、パートナーの仕事終わりに合わせて、スーパーで買い物して帰ります。
その日の昼までに欲しいものは連絡をするということがルールです。もちろん、自身でも冷蔵庫の中身や日用品の残量などを把握していますが、ここは互いにフォローが必要なところだと思います。
このように家事を役割分担すると以下のようなメリットが生まれます。
・感謝が増える
・ストレスが減る
・家庭での居場所ができる
・家が過ごしやすい場所になる
・どんどん生活の質が改善されていく
・お互いの時間や心にゆとりができる
・夫婦で抱える問題の話し合いができる
・家族でのコミュニケーションが増える
などなど。子供がいる場合は、主体性や自立心を養うことにもなります。また役割を果たすことで、社会的な帰属欲求が満たされますから、学校や社会に出た時も積極的に役割を果たし人の役に立とうとするようになるでしょう。
最後に、こう言うと台無しかもしれませんが、家事は大して重要ではありません。毎日やらなくても死にはしないし、完璧にこなす必要もないです。自分の中で「ここまではしなきゃ!」というハードルがあると思います。しかし、そのハードルは世間一般の価値観に左右されていたり、自分の親の影響が強く、自分の生活にマッチしていないことが多いです。一度、そのハードルという思い込みを外して、手抜きをしてみてください。正直、私からすれば、家事に余裕を奪われるなんて全く理解できないです。洗濯物も食器洗いも部屋の掃除や片付けも明日でいいし、よく眠ってからでいい。余裕があるときにやれば問題ありません。先日、男性にアンケートを取りましたが、パートナーに完璧な感じを求める人はおらず、家事に対して考えたこともない人が3割もいました。つまり、女性がパートナーのためだと思って家事を一生懸命やっても報われないので、無理をするのはやめるべきです。もっと自分に優しくなって、自分を労ってあげてもいいのではないでしょうか。
パートナーが「ただ、そばに居るだけ」で大きな価値があることを忘れないように、こういった問題と向き合っていきたいですね。