『インプット大全』樺沢紫苑/出版を目指す者必見!ベストセラー作家の初稿の直し

書評

はじめに

8月31日(土)大阪で開催された樺沢紫苑先生のセミナー「真夏のインプット祭り」にスタッフとして参加してきました!

いままでのセミナーにはなかった、樺沢紫苑グッズや仕事道具などの展示が行われており、ファン歓喜の展示品ばかりでした。なかでも一番目を引いたのは・・・

『インプット大全』初稿の直し

です!はっきり言って、ベストセラー作家さんのリアルな原稿を手にとって、手書きの直しを見れる機会なんて、ほぼないでしょう。この原稿言い換えるなら「ベストセラーの答え」と言えるでしょう。

「出版を目指している人」や「本が売れずに悩んでいる人」にとっては、喉から手が出るほどのものではないでしょうか?

さて、そのベストセラーになるヒントがたくさん詰まった原稿。先生には申し訳ないのですが(笑)わたしはセミナーそっちのけで、隅から隅まで目を通しました。そして、8つの気づきを得て、懇親会ではその気づきについて先生に直接質問もできたので、より確実な学びとなりました。

そんな気づきをシェアしたいと思います。

ベストセラーの答え8つ

  • メリットを具体的な数字に修正
  • 人のセリフも短く簡潔に修正
  • 文章の意図を強調できる言葉への言い換え
  • 目次を、内容が一言でわかる要約に修正
  • 文章を短く修正(大幅に削っているページ多数)
  • 図、絵、写真、グラフで理解を助ける
  • キーワードの作り込みを意識している
  • 図の但し書き数文字にまで修正がある

メリットを具体的な数字に修正

原稿を読んでいると、この修正を何度も目にしました。例えば、「たくさん→8つ」というように具体的に修正されていました。

人のセリフも短く簡潔に修正

体験を語るときの感情の入ったセリフも「ノウハウをわかりやすく伝える」ために、かなり簡潔に短く修正されていました。二文が一文になっているというのがザラにありました。

文章の意図を強調できる言葉への言い換え

これは、わたしが一番実践していきたいと感じたところ。具体的な修正は以下のとおり。

「情報をたくさん集める→情報を集めすぎる」
(※ここでの意図は、取捨選択ができていないことを伝えたいと推察)

「この文章で伝えたいことは何か?」が明確でないとできない芸当です。ココがわかりやすさの肝だなと感じました。

目次を、内容が一言でわかる要約に修正

目次がちょこちょこと直されているのが目につきました。ここでは、具体的に書かれている目次が抽象化されて、逆にわかりやすくなるという現象が起きていました。例えば、「毎日メルマガを書く→毎日文章を書く」というような感じでした。

文章を短く修正(大幅に削っているページ多数)

ここが今回1、2を争う気づきですね。パッと見てすぐに気づくのは、ぱっさりとカットされている原稿が、ものすごく多いかったです。ひと段落すべてなくなるなんてことがザラでした。2〜3行削るのは当たり前に行われていましたね。

先生に「インプット大全(アウトプット大全)で網羅的な内容の本だからこれだけ削るのですか?それとも、他の本でも同じように削るのですか?」と聞いたところ

樺沢先生「長ければ長いほど伝わらない」

と一言。そしてさらに

樺沢先生「わかりやすく簡潔に。私の場合ここに一番注力している」

とのこと。「これは精神科医であることが大きく影響しているのだろうなあ」と思いました。他の専門家(とくにお医者さん)が書く本は、難解な本が多いです。科学的根拠に重点を置いて書かれていますし、専門用語も多いです。しかし、先生は簡潔さに一番注力することで、他とは差別化を測ることで「シリーズ類家50万部を越すベストセラーを出しているのだあ」と感じました。

図、絵、写真、グラフで理解を助ける

ここの部分への修正も多かったです。実は「イラストの下書きノート」も展示されていたのですが、ご自身の手でしっかりと図を書いたり、絵を書いたり、イメージを具体化して、直感的に伝わるように工夫されている印象を受けました。

図の大きさの割合や配置、ごちらのページに置くか?など細かなところまで修正がなされていました。

幻の赤表紙の隣に並ぶ、イラストの下書き

キーワードの作り込みを意識している

インプット大全では、SNSでも読者から頻繁に投稿されている「AZ(アウトプット前提)で行こう」というキーワードを筆頭に「ザル見、ザル聞き、ザル読み」などキャッチーでわかりやすいものもありますよね。その他にも1つの文章のなかにあるキーワードへの修正なども見受けられて、ここも力を入れているところでしょう。実際セミナー中に「AZ(アウトプット前提)で行こう」誕生秘話を語られていたので力を入れていることは確かでしょう。

図の但し書き数文字にまで修正がある

神は細部に宿る

そんなことがピッタリな修正がありました。解説のイラストには短い但し書きが入っている箇所がほとんどなのですが、本文とは別のイラストに付属する10文字に満たない文でさえ、修正されていたのです。

先生に聞いたところ

樺沢先生「ココをこだわらないと意味がない!」「そこまでやって初めていい本が書ける」

とのことでした。ベストセラーは生まれるべくして生まれている。そう強く感じさせていただきました。

以上が、「初稿の直し」から得た事実と気づきです。先生にも確認したので、効果のある「ノウハウ、気づき」であることは間違いないしょう。

最後に

真夏のインプット祭りの間で「初稿の直し」を熟読したのは恐らくわたし一人だけでしょう。そして、コレについて質問したのもわたし一人でしょう。会場には「出版したい人」も「出した本が売れない人」もいたはず。そんな人たちが、これを読んでいないなんてハッキリ言って信じられませんでした。

目の前に、こんなに貴重なものがあるのに、それに気づきすらしないなんて…

正直、この気づきは独り占めしたかったです。しかし、それではあまりにもったいない。なぜなら、これまでにないほど面白く人生を変えるような気づきを与えてくれる本を読みたいからです。そんな本がたくさん並ぶ書店や自分の本棚を想像するとワクワクが止まらないからです。

だからこそ、この情報を共有することで、すこしでも楽しい世の中に近づけばと思っています。

もちろん自分自身も読者の人生を変える、世の中を変えるような作家の一人になれるように精進していくという意味もあります。

知っているからといって「できるか?」と問われれば絶対にそうではありません。この事実を知った今、もうやるしかないと感じます。何度も実践し身につけて、最高の本を書けるように一生努力していこうと思います。

樺沢先生、一生ものの気づきをくださり、ありがとうございました。