マジシャン流!コロナ禍を楽しく過ごす方法

日記

こんにちは、プロマジシャンの田島です。

「タネも仕掛けもありません」

マジシャンの常套句としてご存じの方も多いと思いますが、今ではほとんど使われることのないセリフです。それは、手垢がつきすぎたという理由もありますが、それ以上に大切な理由があるからです。

その理由とは「タネや仕掛けに注意を向けさせてしまう」というものです。

多くのお客様は、タネや仕掛けに興味があり騙されまいとマジックを見破ろうとします。しかし、その反面ピュアな気持ちで不思議を楽しみたい人が一定数いることもたしかなのです。そこでマジシャンがあえて「タネも仕掛けもありません」ということにより、純粋に楽しんでいた人にまで、タネや仕掛けに注意を向けさせてしまうのは、とてももったいないのです。

さて、別の例で考えてみましょう。
 
『青い象のことだけは考えないで!』
 
というドイツのメンタリスト トルステン・ハーフェナー氏の著書があります。この本のタイトルを聞いて何を想像したでしょうか?青い像のことを想像したのではないでしょうか。

すでに察している人もいらっしゃると思いますが、つまり【考えてほしくないことについて言及しない】というのが最良の手段なのです。

しかし、今回は説明のために、あえて触れなければならない忌々しい出来事があります。そうです。2020年世界中で未曾有の被害をもたらしたアイツについてです。

昨今、どこに行っても「頭文字C(イニシャルC)」の話が聞こえてきます。しかし、上記したように誰もが分かっている悲惨な状況に、あえて目を向ける必要があるのでしょうか。例えば、ひさびさに少人数で集まり、楽しい飲み会にしようとしていたり、明るく楽しむためにキャンプに来たのに、そんなことを話に出したら、どうなるでしょうか?絶対に暗い話題になりますよね。

楽しく明るく時間を過ごしたい場面で、わざわざ話す必要は微塵もないのです。

しかし、それでも話をする人が多いのです。わたしの感覚では9割以上が話します。もちろん、軽く受け流せばいいだけなのですが、場が沈んでしまって、毎回「あ、やっちゃった」というような空気になっているのを何度も見ていますし、何度もその空気を和ませるために気を使いました。正直、うんざりしている人も多いでしょう。

コミュニケーションは思いやりであり、相手のことを考えて言葉を発する必要があると私は考えています。不用意に場を暗くするような話題を振るというのは何も価値を生み出しません。「雄弁は銀 沈黙は金」ということわざがあるように、まさに語らないことで、場を楽しい雰囲気に保ち、みんなでストレスを発散する良い機会を得て、金を得ることになるのです。

ということで、「目的に合わせて注意の方向性を考える」ということが大切です。そうすることで、もっと楽しく明るくこの時期を過ごせると思います。