『毎日を楽しめる人の考え方』樺沢紫苑(きずな出版)書評

書評

樺沢紫苑先生の新刊『毎日を楽しめる人の考え方』を読んで、改めて「遊び」のメリットの甚大さに気づいたので、私の体験をシェアしたいと思う。

私の人生は「遊び」でできている。

親に散々「不器用」だと言われて育った私は、小学2年生まで自転車すら乗れなかった。友達と出かけるときでさえ、走って遊びにいっていたのだ。そのせいか「足の速さ」は、学校でイチバンだった。小学6年生の頃には、市と区の「駅伝大会」でアンカーとして「優勝」のゴールテープを切るほどになった。

私は、特別に努力をしたわけではなく、ただ走り回って「遊んでいただけ」だ。

小学3年生のとき。テレビ放送のジャイアンツのナイターを見ていた。そこで登板していた「上原浩治」選手に魅了されて、グローブを手にした。そこから毎日、家の塀に向かって「壁当て」をしていた。そのせいか、小学5年生の頃の「スポーツテスト」にあった「ソフトボール投げ」は、測定不能だった。都会にある学校。その運動場の広さでは、私の投擲能力は測れなかったのだ。周囲からは「バケモン」ともてはやされ、野球チームへの勧誘がずっと続いた。

私は、ただ好きで「壁当て」をして「遊んでいただけ」だ。とはいえ、それが「称賛」に変わることに、この頃から気づいていたのかもしれない。

中学2年生のとき。私は「カードフラリッシュ」というものに出会った。トランプを使うジャグリングのようなものだ。これが楽しくて仕方がなかった。当時は「YouTube」が日本に上陸して間もない頃で、日本語で検索しても動画出てこなかった。仕方なく「英語」で検索して、理解のできない言葉を聞いては、見様見真似で練習を重ねた。

1日10時間以上は、確実にトランプと一緒に過ごしていた。私の手からトランプが離れるのは、食事のときと寝るときくらいのものだった。それを高校3年生まで続けた。

そこから、派生して「カードマジック」と出会った私は、19歳で「プロマジシャン」の門を叩いた。そのとき日本のトップで活躍する先輩マジシャンから「日本でも指折りの技術」と褒められたのを覚えている。

ここでも、私は特別に努力をしたわけでもなく、好きなことをして「遊んでいただけ」だった。

そうして「プロマジシャン」になった私は、趣味の「読書」をしていた。そこで出会った本が『読んだら忘れない読書術』だ。著者の樺沢紫苑先生に感銘を受けて、その後も著書を読み漁った。そして、あるとき先生の「読書感想キャンペーン」に応募したところ「最優秀賞」を獲ることができた。

それがキッカケで、YouTubeチャンネル「精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネル」の動画編集を担当させていただくことになった。それが、いまの仕事になっている。

やはり、私の人生は「遊び」でできているのだ。「遊び」が「称賛」に変わり、それが「仕事」に変わる。そうして、人生を進めてきた。それは、今後も変わらないだろう。

そして今は、こうして趣味で筆を執っているのだから、そのうち「作家」になるのだろうとも思っている。

さて、本書には「仕事ファースト」ではなく「遊びファースト」が重要とある。それは、まさしく「私の人生」だ。こうして人生を「遊び」で進めてきた私を「お気楽でいいな」「そんなことできるわけがない」「どうせ稼げないだろう」とバカにするのもいい。しかし、騙されたと思って、もっと遊んでみてほしい。

そうすれば「称賛」があなたのものとなって、それが「仕事」に変わるときがくるのだから。