ロバート・デニーロ アン・ハサウェイ主演『マイ・インターン』映画感想

書評

言わずと知れた名優ロバートデニーロとアンハサウェイの主演で
現代のビジネス社会に溢れるヒューマンドラマがおもしろく描かれ
とても示唆に富んだ作品になっている。

アンハサウェイ演じる主人公ジュールズは新進気鋭の若手起業家だ。

仕事が大好きで家庭や人間関係は二の次で
分刻みのスケジュールに忙殺されている
スタートアップのCEOにありがちなキャラクターだ。

一方、ロバートデニーロ演じるベンは
会社を定年退職してから自分の存在意義を求め
新しいことにチャレンジしようという意欲あふれる紳士だ。

そんな交わりそうにない2人が「シニア・インターン」という取り組みによって
偶然に巡り合い、最終的には友情を築くというストーリーだ。

(シニア・インターンとは定年退職したシニア世代を
インターン生として会社に採用するという試みだ。)

ベンはまったく未経験のアパレル業界にチャレンジして
シニアインターンを勝ち取り仕事に着くことになるが
なんと、いきなりジュールズ(社長)の補佐役をさせられる。

しかし、ジュールズはシニアインターンの試みをよく思っておらず

「用があればメールするわ」

と言って、一切連絡をよこさなくなってしまう。

そこからベンは主体性を発揮して
苦手なPCでの作業を学んだり、他の社員の相談に乗ったり
誰もが見て見ぬふりをしていた「物置と化していたテーブル」を片付けることで
どんどんと影響力の輪を広げていく。

そうして、ジュールズの信用を勝ち取ったベンはジュールズの心の拠り所となっていき
仕事と家庭の大きな問題に直面するジュールズの相談相手になって、いくつもの問題を乗り越えていく。

私はそんなベンの姿に大きく心を揺さぶられた。

ベンのキャラクターは「紳士」と呼ぶに相応しく
いつも身嗜みを整え、スーツにネクタイ姿で、他人のためにハンカチを持ち歩く
クラシックで硬派なタイプだ。

彼のキャラクター自体が魅力的で
私の目指す男性像であったので終始学びが絶えない映画だった。

そんな彼が70歳で全く触れたことのない業界にチャレンジするのだが
その「年齢など関係ない」という強烈なメッセージには感化されずにはいられない。

年齢などという些末なことは気にせず「自身の好奇心」に素直に従い行動する。
これほどまでにカッコイイと感じることはない。

さらには彼からすれば経験も知識も劣るはずの若者たちに
決して偉ぶることもなく紳士に接する姿は「品性とはなんたるか」を教えてくれる。

本作を通して彼から感じられる「人間愛」は
私にも分け与えてくれないかと思うほどに
暖かく包容力のあるものだった。

一貫して見られるベンの持つ「大人の余裕」は
私も身につけれられるように見習っていきたい。
つまりは、何度も見返したいと思う映画だった。

ありきたりなビジネスシーンとその日常を描いた
なんでもないストーリーがここまで楽しんで見られる映画は
他にはないのではないかと思う。

ありきたりな日常を面白く切り取るというのは
人生を幸せに生きていくために欠かせない要素だとも気づかせてくれる作品であり
その引き立て役となる2人のキャラクターを演じ切った
主演の2人の凄さが滲み出た作品だと言える。

仕事に忙殺されている人にこそ
自分にとって大切なことを見直すために
観てほしい作品だ。

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