『ズバ抜けて頭がいい人の「本棚」は何が違うのか』(成毛眞/三笠書房)書評

書評

最近は、じっくり読書することが増えた。なので、今は月に4冊程度しか読まないが、これまで、数百冊の本を読んできた。つまり、一般的な人が生涯で読む数の何倍もの本が家にある。

そこで、頭を抱えるのが本の整理だ。

実は、私の家には本棚がない。というより、ほぼ家具がない。なので、床に本を積み上げている。ベースメント(物置部屋)は、本で溢れかえっていて大変な状態だ。そうなると、1冊1冊は内容も整理して理解しているのに、なぜだか、全体の統合が取れていないような、頭がモヤモヤした感じが残っていた。

今回、そのモヤモヤ感の解消に役立つだろうと期待して、手にとったのが本書だ。

その期待は、見事に的中した。本書は、本棚を外付けハードディスクのように考え、外部の脳として使う方法を徹底的に解説している。何せ「読書」ではなく「本棚」を題材に1冊の本になっているくらいなので、とても参考になる。

まず、本棚のない私は、どんな本棚を買うのか迷っていた。カラーボックスのようなものは嫌だし、壁面全体を本棚にすると引っ越しのときに手間になる。どうしたものかと思っていたが、本書では使い勝手のいい本棚まで紹介してくれている。

なので、早速購入を決意した。

本書の基本となるノウハウは、1マス1ジャンルで、8マスの本棚を使って整理していく方法だ。そうすることで、ほしい情報を最短で見つけることができる。また、余白を設けることで、本棚の新陳代謝をよくしたり、マイブームとなっているジャンルを「特別展示」として1マス持っておくことで、常に好奇心を刺激できるということも紹介されている。

ちなみに、私が買ったのはイケアの5×5マスの大きな本棚だ。

理由は、2つある。もともと自分の興味あるジャンルは、3×3マスのマンダラチャートにまとめていたことが1つ。そして、YouTube動画の撮影時に背景にしたいというのが1つだ。本棚は積極的に人に見せることで、読書家から本を紹介してもらえて自分の世界観を広げることになると、本書でも紹介されていることも2つ目の理由の要因だ。

こうして、ひとまず本の整理をすることで得られる快感は大きい。

頭が整理されてスッキリするのはもちろんのこと、コレクションを眺めるような優越感もある。また、自分の学んできたことが一覧できると過去の自分を褒めたくなったりもして気持ちがいい。

これから、私がやっていきたいのは、ジャンルごとに関連する「小物」を本棚に飾ること。そのジャンルを象徴する模型を置くと、実物とのスケール感の違いを感じられて、視野が広くなったり、イマジネーションを刺激するという。

私は、それ以上に本棚への愛着を生む機序となるのではないかと思っている。魅せられる本棚になってくれるだろうという期待もある。

ひとりの読書家として、本棚について再考できたことは、スゴくよかった。引っ越しに伴って、日用大工で作った本棚を手放して以来、本棚をどのようにするか結論が出ずにいた。それを一気に解消する手助けをしてくれて、本当に助かった。

600円ほどの文庫本だが、その何倍の価値もあると感じる1冊だ。読書は自己投資だというが、まさしくリターンの大きな投資となったと思う。やはり、成毛さんの本はハズレがない。